2014年03月20日

ノバルティスの「ディオバン問題」、その影響

日経産業新聞(2014年1月23日) によれば、ディオバンの処方患者数が、1年間で4分の1ほど減少しているようです。

我々の分析でも、MR活動のKPIである全薬剤に対する調剤比率は、2011年(1-12月)と2013年(1-12月)の差は、−0.51%となっており、ブランド別減少率第11位となっています。参考までに、第1位は、後発品の調剤比率が急激に上がっているノルバスクで−1.12%、2位はリピトール−1.10%です。ディオバンの調剤比率−0.51%を処方箋枚数に直すと、約65,000枚の減少ということになります(調剤薬局のみ)。急性期病院の処方は、調剤薬局よりも凄まじい減少になっている事が推測されます。

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スイス製薬大手、ノバルティスファーマの日本法人が販売する高血圧症治療薬「ディオバン」の処方量が落ちている。病院の処方データを分析するメディカル・データ・ビジョン(東京・千代田)によると、病院で「ARB」と呼ばれる高血圧症治療薬を処方された患者のうち、ディオバンのシェアは2012年11月からの1年で17.0%と4ポイント低下。患者数も、12年11月を100とすると75.4まで低下した。

メディカル・データ・ビジョンは、全国683の急病患者に対応する急性期病院に処方データやレセプトデータの分析サービスを提供している。今回のデータは記者が同社に依頼し、二次利用の許諾を得た大規模病院を中心とした47病院のデータをもとに集計した。

ノバルティスの「ディオバン問題」は、12年12月に日本循環器学会の学会誌が、京都府立医科大学で行われたディオバンに関する臨床研究の研究結果を「データの解析に誤りがある」として論文を撤回したことに端を発する。13年5月には京都府立医大だけでなく、滋賀医科大学や東京慈恵会医科大学、千葉大学、名古屋大学で行われた臨床研究にノバルティスの社員(当時)が関与していたこと、7月には研究の結果に人為的なデータ操作が行われていたことが明らかになった。

これらの研究結果が大々的に広告に使われていたことも問題視された。8月には厚生労働省で検討委員会が立ち上げられ、今年1月にはデータが改ざんされていることを知りながら広告に利用したとして、ノバルティスは薬事法違反で刑事告発も受けている。

これを受けて13年7月以降、東京都済生会中央病院(東京・港)や聖マリアンナ医科大学、全日本民主医療機関連合会の加盟143病院など、ディオバンの採用を中止する病院も増えている。

実際、メディカル・データ・ビジョンがまとめた処方の推移をみると、メディアで今回の問題が連日大きく取り扱われるようになった12年4月に処方量の減少が始まり、データ操作が明るみになった7月以降、漸減していることが分かる。

JPモルガン証券の小野塚昌之シニアアナリストは「薬事法違反となると国公立病院で入札から外されることもある。今後さらに減っていく可能性がある」と分析する。

今回の調査結果では、ディオバンの処方患者が減る一方で、12年に発売された武田薬品工業の「アジルバ」が同じ期間中に23倍と大きく処方患者数を伸ばしている。「ノバルティスの『敵失』と、武田が新製品の営業を手厚くしたタイミングがうまく重なった」(小野塚氏)結果とみられる。

ARBは、相対的に降圧効果は弱めな一方、脳や心臓を保護する効果があるといわれる。今回、改ざんが問題になっているディオバンの臨床研究もそれを実証するために行われたものだが、ARBという薬自体に対して医師が信頼を失ったわけではなさそうだ。

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2014年02月10日

高血圧症薬の処方量、落ち込む「ディオバン」、ノバルティス、データ改ざん影響

下記の記事を医療機関全体で推計してみると、やはり同様な傾向がありました。メディカル・データ・ビジョンが算出した急性期病院ほど顕著ではないようですが・・・。

調剤受付回数比率でみると、2013年(1月−12月)の血圧降下剤(214)は18.5%で、2011年が18.3%ですからやや増加傾向にあります。

その中で、2013年から2011年の差は、ディオバンは-3.7%。アジルバは+1.9%となっています。

また、2013年のディオバン錠40mgのスイッチ回数は、流入調剤受付回数と流出調剤受付回数の差が-44,585回と大幅に流出超過になっています。そして、最も流出が多いブランド細別は、ブロプレス錠4mgで-6,083回です。

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高血圧症薬の処方量、落ち込む「ディオバン」、ノバルティス、データ改ざん影響

2014年1月23日 日経産業新聞

スイス製薬大手、ノバルティスファーマの日本法人が販売する高血圧症治療薬「ディオバン」の処方量が落ちている。病院の処方データを分析するメディカル・データ・ビジョンによると、病院で「ARB」と呼ばれる高血圧症治療薬を処方された患者のうち、ディオバンのシェアは2012年11月からの1年で17.0%と4ポイント低下。患者数も、12年11月を100とすると75.4まで低下した。

メディカル・データ・ビジョンは、全国683の急病患者に対応する急性期病院に処方データやレセプトデータの分析サービスを提供している。今回のデータは記者が同社に依頼し、二次利用の許諾を得た大規模病院を中心とした47病院のデータをもとに集計した。

ノバルティスの「ディオバン問題」は、12年12月に日本循環器学会の学会誌が、京都府立医科大学で行われたディオバンに関する臨床研究の研究結果を「データの解析に誤りがある」として論文を撤回したことに端を発する。13年5月には京都府立医大だけでなく、滋賀医科大学や東京慈恵会医科大学、千葉大学、名古屋大学で行われた臨床研究にノバルティスの社員(当時)が関与していたこと、7月には研究の結果に人為的なデータ操作が行われていたことが明らかになった。

これらの研究結果が大々的に広告に使われていたことも問題視された。8月には厚生労働省で検討委員会が立ち上げられ、今年1月にはデータが改ざんされていることを知りながら広告に利用したとして、ノバルティスは薬事法違反で刑事告発も受けている。

これを受けて13年7月以降、東京都済生会中央病院(東京・港)や聖マリアンナ医科大学、全日本民主医療機関連合会の加盟143病院など、ディオバンの採用を中止する病院も増えている。

実際、メディカル・データ・ビジョンがまとめた処方の推移をみると、メディアで今回の問題が連日大きく取り扱われるようになった12年4月に処方量の減少が始まり、データ操作が明るみになった7月以降、漸減していることが分かる。

JPモルガン証券の小野塚昌之シニアアナリストは「薬事法違反となると国公立病院で入札から外されることもある。今後さらに減っていく可能性がある」と分析する。

今回の調査結果では、ディオバンの処方患者が減る一方で、12年に発売された武田薬品工業の「アジルバ」が同じ期間中に23倍と大きく処方患者数を伸ばしている。「ノバルティスの『敵失』と、武田が新製品の営業を手厚くしたタイミングがうまく重なった」(小野塚氏)結果とみられる。

ARBは、相対的に降圧効果は弱めな一方、脳や心臓を保護する効果があるといわれる。今回、改ざんが問題になっているディオバンの臨床研究もそれを実証するために行われたものだが、ARBという薬自体に対して医師が信頼を失ったわけではなさそうだ。

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2011年08月16日

リサーチとビジネスインサイト

日本マクドナルドの社長原田さんは、「リサーチデータだけで、経営戦略を立てるな!」と言っています。

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「このコーヒーはおいしいですか?」

「はい」

「販売が始まったらお買い上げいただけますか?」

「はい」

こんな調査をして、何%の顧客に高評価を得た、だからこの商品は「売れます」なんてことをやる。でも、僕に言わせれば、こんな調査じゃ本当の顧客心理は何も分かりません。特に日本人は礼を重んじますから、こちらかが嫌がるようなことは言いません。

大事なのは、本当に顧客が求めているもの、顧客自身ひょっとしたら気づいていないかもしれない深層的なニーズを見抜くビジネスインサイト、洞察です。

(日経ビジネス 2011.7.25号より)

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確かに、日本人は緻密な分析を好みます。アンケートの質問の内容、サンプルの選び方、クロス集計のやり方・・・、会議の大半は分析の方法論に関する議論に費やされてしまうこともよくあります。

これは、よくない。問題は、リサーチの質を向上させることではなく、新製品をどのように売って行けば最短で目標を達成できるか、ですから。

でもね、ビジネスインサイトを得るためにどうしたらいいか、これは難しい問題です。

リサーチを無視して、自らの実体験のぶつかり合いに戻ってしまうことも避けなければならないですし・・・。

参考になる体験を一つ。

もう15年以上になりますが、一緒に仕事をしたNovaction(現在はIpsos-Novaction)の事を思い出します。

彼らに新商品の初年度売上予測を依頼したのですが・・・

アンケートの質問内容は古臭いし(失礼!)、クロス集計は無いし、こんなんで新商品の受容性やそれに基づく売上予測がシュミレートできるのか!と疑問でした。

でも、調査の1年半後、その予測は恐ろしいほど的中しました(1億単位まで当っていました)。

その秘密は、彼らには、販売前のいろいろな製品に、全く同じアンケートをして、その評価スコアと実際の売上を紐付けたデータが数百以上あったのです。そして、そのデータベースから推定売上をはじき出していたのでした。

原田さんのようになる努力も重要です。しかし、できるようになるには時間もかかるでしょう。全員が彼のようになることは無理です。

だから、このようなデータベースを地道に作って、活用することも大事だと思います。アンケート結果は、会議が終わると忘れられちゃうことが多いのですが・・・。

このデータベースに、営業現場で起こった顧客とのやり取り、営業マンの感想等が付与されれば、このデータベースをいじくっている間にインスピレーションが湧いてきて、ビジネスインサイトを得ることにつながることでしょう。

こういう時にこそ、テキストマイニングのスキルが活きてくるんだけどなぁ〜。

具体的には・・・


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2011年05月20日

AKB48にみる弱者のマーケティング戦略

今年も調子に乗って、データウェアハウス&CRM EXPOでおしゃべりしてきました。

昨年のAKB48を例にとった解説をさらに進化させて、今年は弱いブランドでも勝負できる方法を提言してきました。

Comic_001.pngマーケティングの教科書には、戦略を立てる際に競合品との比較表を作ったり、SWOT分析を行い、自社品と競合品の差別化(こっちの方が、ここが優っている!)を訴求する事の重要性が強調されています。

しかし、競合品と明確に差別化できるブランドなんて、そう滅多にあるものではないのでは?

仮に、競合品に比べて優れていても、医薬品の場合、発売間もないブランドをすぐに採用する医師がどの程度いるでしょうか。

医師は頭で効き目は理解していても、自分の患者に最適かどうか、副作用が気になってしまうとか、処方しようかどうか迷っている中で、今まで処方していた医薬品よりも「すごい効き目です!」とMRから言われて、即座に切り替えることができるでしょうか・・・。

先ずは、『親和性の戦略』から入っていくべきでは?

そして、ある程度のシェア、ポジションを確保してから、『差別化の戦略』を取るべきなのではないでしょうか?

そんな思いの中で、この資料は作られました(『親和性の戦略』に関してはこちらの資料を参照ください)。

今回、改めて医薬品の処方データを元に、アソシエーション分析を行い、『親和性の戦略』が功を奏しているかどうかの指標としてルール数をカウントしてビックリ。きれいにルール数の増加と売上の増加がパラレルになっていました。

AKB48をプロデュースした秋元康氏も、『親和性の戦略』を意識していたのでしょうか・・・。

それにしても、昨年の今頃はAKB48と言っても、「オタクのアイドルでしょっ」、という感じでしたが、今やTVや通勤電車の車内でも、AKB48を見ない日が無いぐらい人気者になってきましたね。

(『親和性の戦略』を文章化することがなかなか難しいので、この文章では物足りない方もいらっしゃると思います。いつか、分かりやすく解説する機会を持ちたいと思いますので・・・)

資料のダウンロードはこちら


2008年09月05日

SFA、SFE、CRMとクラウドコンピューティング


セールスフォース・ドットコムセールスフォース・ドットコムのセミナーに参加してきました。
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/09/03/012/

2006年にGoogleのエリック・シュミットが提唱した「クラウドコンピューティング」とどう関係があるの?という興味で行ってみた訳ですが・・・。目から鱗でした。

製薬企業のSFA(営業支援システム)に関していえば、どんな製薬企業も下記のデータベースは必須です。

@医療機関データベース(主なソースは、DCF医療施設ファイル)
A医師データベース(主なソースは、DCF医師ファイル、DCF医師所属学会ファイル、DAFI医師業績ファイル)
B売上データベース(主なソースは、IMSジャパンの各種データ)

これに、自社売上のデータベース、MRの担当医療機関データベース、各種キャンペーン実績、MRが書いた営業レポート、ソネットエムスリー・自社サイトの閲覧状況、卸に依頼したアンケート等の情報が加わるというわけです。

@〜BはアルトマークIMSジャパンが提供しているデータを使っている製薬企業がほとんどですから、これらをクラウド上に構築し、そのメンテナンスをセールスフォース・ドットコムに依頼すれば、メンテナンスコストが圧倒的に下がるわけです。
http://www.ims-japan.co.jp/japanese/solutions_portfolio_optimization.php
http://www.ultmarc.co.jp/contents/database_file_dcf.html

また、MRが見る画面に関しては、Force.comというアプリケーション開発のためのプラットフォームが用意されているので、無料で、そんなに勉強しなくても、カスタマイズできるとのことです。

残念ながら、現在は製薬業界に特化したクラウド上のデータベースが無いので、製薬企業は個々に@〜Bを作っていかなくてはなりませんので、あまりコストメリットを感じないでしょう。

しかし、伸び盛りのセールスフォース・ドットコムですから、IMS、アルトマーク等とアライアンスを結び、@〜Bのクラウド上のデータベースを作ったら、SFAのコストは圧倒的に下がるでしょう。

そして、自社でForce.comを利用してSFAを作ってしまったら・・・。現在主流のシーベル、セジデムデンドライト等のサーバー・クライアント型のSFAでは、コストとシステム変更の即時性で優位性が保てなくなるのではと感じました。

今のセールスフォース・ドットコムの製薬ソリューションでは貧弱ですし、セールスフォース・ドットコムがIMSやアルトマークとの交渉を進めることができるのか、よくわからないので、仮定の話ですが。

でも、このビジネスモデル、Googleの動き次第では、意外に早く実現してしまうかも(Google AppsでGoogleとセールスフォース・ドットコムが連携)・・・。
https://www.salesforce.com/jp/form/trial/google_apps.jsp?d=70130000000EGyG&DCMP=KNC-Google&gclid=COitgPnIw5UCFQccegodZmu_ig

是非、実現して、あらゆるMRがSFAに蓄積されたデータを通じて、セールスやマーケティングのスキルを向上させる世界が実現することに期待しています。

2005年06月03日

営業プロセスの抽出と分析 その3

このようなデータマイニングは、システムにあらかじめ組み込むことによって、人手を解さずにリアルタイムで分析を行うことが可能になります。つまり、マーケティング・インテリジェンスのAI(Artificial Intelligence:人工知能)化が図られるということです。このことにより、成功率上位の営業プロセスを素早くMRに提供することができ、営業効率の劇的な向上が見込めます。このように考えてくると、次世代のSFAは行動管理が目的ではなく、営業ナレッジのナビゲーションが目的となるかもしれません。もはやそれをSFAとは呼ばないかもしれませんが・・・。

以上が、マーケティング・インテリジェンスで営業の効率化を行うためのデータ収集・分析の理想的な流れです。データの有効活用によるマーケティング・インテリジェンスは、属人的で評価が難しかった営業活動のプロセスをも客観的に評価を下すことができ、効率を議論することができるものに変化させました。これにより、マーケティング活動の基本であるPDCA(Plan→Do→Check→Action)サイクルを緻密に、スピーディに、確実に行うことが可能になるです。

以上のように、マーケティング・インテリジェンスは、激化する競争に打ち勝つための切り札です。今後、日本においても、製薬企業が切磋琢磨して注力すべき分野であることは間違いないでしょう。

(完結)

2005年05月11日

営業プロセスの抽出と分析 その2

実際に、営業日報をテキストマイニングすることにより、下記の情報が得ることが可能です。

1.実績上位者もしくは下位者に特徴的な単語や表現、主張を抽出。
2.薬剤やキャンペーンなど、注目した単語・主張に対して、それらの出現に関する特徴をみる。
3.発言のグルーピングを行い、中心的に存在している話題を明らかにする。
4.頻出語・表現や注目した単語・主張が、時間と共にどのように変化していくかをみる。
5.良いイメージ、悪いイメージで語られる単語を抽出。
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2005年04月29日

営業プロセスの抽出と分析 その1

これまで、マーケティング・インテリジェンスの中核をなすデータマイニングに関して説明をしてきたが、その有効性をご理解いただけただろうか。実際にマーケティング活動を行っていくには、データマイニングを行うデータを絶え間なく収集しなければなりません。このデータ収集作業は、マーケティング・インテリジェンスの中で欠かせない作業であり、可能な限り作業効率が高い方法で行うことが望ましいものです。

そこで、最も客観的評価が難しい営業活動に関して、データ収集からデータマイニング及びその活用に関して、すなわちマーケティング・インテリジェンス全般についての理想形を考えてみましょう。
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2005年04月25日

営業・マーケティングのデータマイニング その3

次に、それらの悩みを解決するためのデータマイニングの手法をリストアップしました。それをまとめたものが表2です。

表2

各々の分析手法の解説は専門書に譲りますが、製薬企業の営業・マーケティング活動に共通する悩みに各データマイニング手法が有効に対応することを示すことができました。

それぞれの手法は、Accessで可能なものもあれば、専門のデータマイニングツールが必要なものまで種々ありますが、いずれも社内に存在するデータを用いて分析できるものばかりです(図1)。

図1

また、データマイニングだけでは悩みが完全に解決できないものもありますが、少なくとも糸口の発見には寄与するはずです。今回は、社内にあるデータのみの利用を考えましたが、実際にはレセプトや処方箋のデータが出回り始めており、アドホックなマーケティング調査を行うことも視野に入れれば、より完成度の高い分析が可能になるでしょう。


2005年04月18日

営業・マーケティングのデータマイニング その2

まず、製薬企業が抱える悩みを目的別に9つに分類しました。

1)製品ライフサイクルの把握
◆他社新製品が上市されたからといって、急激に売上が落ち込む自社製品を放置できない。

2)潜在的製品力の把握
◆本当はこれぐらい売れるはずだ、という製品ポテンシャルが把握できない。

3)患者数増減の把握
◆売上目標だけでは、営業部門に販売目標を伝えきれない。MR一人当たりの症例数で販売目標を伝えたい。

4)エリア別リソース配分の最適化
◆エリア別の営業人員は、適正だろうか?増強のためにしなければならないことは何か?

5)製品別営業効率の把握
◆製品ごとに、営業力をどのくらい使えばいいのか?
◆製品によっては、営業力を使わずに、e-ディテーリング、DTCなどの手法を用いた方が効率が上がるのではないか?

6)アプローチ別営業効率の把握
◆優秀MRの営業手法を、社内で共有化できていない。
◆どんなディテーリングやアプローチが、売上に貢献しているかがわからない。
◆訪問回数を増やしても、受注に結びつかない施設、製品がある。
◆難攻不落ドクターの攻略の糸口が見出せない。

7)ターゲティング
◆ハブになるドクター、オピニオンリーダーを把握できない。
◆医師のコミュニケーション・グループを把握できない。

8)顧客管理
◆優良顧客(施設)の定義ができておらず、その把握もできていない。
◆失注先への素早い対応ができていない。

9)MRのオピニオンの把握
◆MRが注目している話題が把握できない。営業所によって、差異があるかもしれない。
◆MRが販売上で苦労している製品と、その中身に関して、把握できない。そのため、MRへのアドバイスが的確にできていない。

営業・マーケティングのデータマイニング その1

筆者らは、製薬企業の営業部門やマーケティング部門の担当者から多くの悩みを投げかけられてきました。それらを分類しソリューションを考える過程で、社内に存在するデータを分析(マイニング)することで、解決の糸口が見出せることを経験しました。ここにその代表的なものをリストアップし、製薬企業の営業・マーケティング活動にデータマイニングが活用できることを示していきたいと思います。

2005年04月15日

中核となるデータマイニング(Data Mining) その2

これは、データマイニングが、そもそもマーケティング部門の分析手法として用いられてきたことに起因していると思われます。

これまで、製薬企業は、マーケティングの重要性をあまり認識してこなかったのです。他社との差別が難しい製品・薬効群での競争では、主として営業スキルの差異が、売上に影響したからです。そのため、自社売上データやIMSデータ(市販の2次データ)などを使って、売上の進捗管理を行うことが最大の関心であり、営業活動の中身を見直し、効率化を図ることがあまり重要視されてこなかったという事情があるのです。

営業活動はマーケティングの実行過程ではなく、MR個人が努力して改善していくものだ!という発想が根強かったということです。
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中核となるデータマイニング(Data Mining) その1

マーケティング・インテリジェンスの中核をなすのが、データの分析法、すなわちデータマイニングです。主なデータマイニングの手法を下記の表にまとめました。

表1

これらの手法を実現するためには、新たなITツールが必要となるが、比較的少額の投資で済むこと、効果がすぐに実感できることなどから、マーケティング先進国の米国では、様々なツールが盛んに導入されています。

しかし、これらのツールを使いこなす技術者や、分析結果をマーケティングに応用するマーケッターなどの人材を確保することは、困難な状況となっています。日本では、一部のe-Commerceやデータベース・マーケティングにおいて限定的に活用されているに過ぎません。特に製薬企業のマーケティングに関しては、ほとんど導入が進んでいないのが現状なのです。

2005年03月07日

マーケティング・インテリジェンスの重要性

メインフレーム・コンピュータSystem/360(’64年)、UNIX(’76年)、リレーショナル・データ・ベース(’77年)、商用インターネット(日本−’92年)、Windows95によるパソコンの普及、i-mode(日本−’99年)・・・、ITは地球のあらゆる産業に多大な影響を与え、進化し続けてきています。医療・医薬品産業においても、IT化により、様々な業務が「改善」されてきました。

今までの「改善」は、主として「効率化」、「コスト削減」が主なものでした。しかし、これからは、ITツールの導入により、必然的に集まってくるデータを、マーケティングに有効活用すること、すなわち、マーケティング・インテリジェンス(MI)が、製薬企業の営業・マーケティングの成功要因になっていくと思われます。
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