2010年05月10日

医薬品の市場・売上予測ノウハウ集

2004年9月に数人の方々と書いた書籍の続編が出来上がりました。

詳細はこちら⇒『医薬品の市場・売上予測ノウハウ集』(技術情報協会)

前回は、製薬企業在籍中の著者は10人中4人でしたが、今回は23人中20人が現役の製薬企業の方々です。

前回は研究者やコンサルタントが概論をそれぞれの分野から書き起こしていましたが、今回は、実際の業務で突き当たる課題に、他社はどのように対処しているかを知ることができるのではないかと感じています。

担当の方から見せていただいた各著者の文章をざっと見ると、私が知らなかったり、非常に興味深い部分が多々あり、じっくりと読んでみようと、今から書籍が送られてくるのが楽しみです。

***********

●既存市場に自社製品を投入する際のパーセプションマップの利用
メッセージの浸透率を売上予測に反映させる方法
オーファン医薬品:特定疾患治療研究事業による登録証の交付数から推計する患者数予測、薬価戦略
●治療の選択が新薬上市前の治療に依存する場合に用いる患者数ディシジョン・ツリーPatient-flow Model
●IMS以外のデータベースを利用したBRICs(発展途上国)の売上予測
●医薬品ライセンス戦略:1B1C(ワンブランド・ワン・チャネル)、1B2C2B2C
●中医協DPC評価分科会資料によるジェネリック医薬品の売上予測
ニューラルネットワーク遺伝的アルゴリズム等先進的なデータマイニングの適用

***********

今回、私が担当したテーマは、皆が英知を結集して行った売上予測をもっと役立てて欲しいとの思いから、『リアルオプション理論の活用による売上予測データを踏まえた意思決定手法』というものになりました。

前回は、レセプトデータを用いた患者数予測の手法を解説しましたが、今回は職場も変わり、製薬企業TOPに対するインタビューをまとめたりした過程で、意思決定の重要性を強く感じたことから、上記のようなテーマを選択しました。

日本人は、論理的な議論が苦手だとよく言われますが、売上予測は数字として表現される非常に客観的なものですから、それを元に十分な議論が行われることを祈念しています。

2010年05月07日

数字で上司を説得するための第一歩  −AKB48とマーケティング−


データウェアハウス&CRM EXPO


2010年5月12日からはじまるデータウェアハウス&CRM EXPOで20分程度、お話します。ブログの読者の方々や、Twitterのフォロワーの方々、聞きに来てリアルな交流をしませんか。

【参加方法】 無料です。
http://www.msi.co.jp/userconf/DWH/DWH2010.html

今回は、データマイニングツールを日本国内で開発している株式会社数理システムのご好意で、数理システムのブース内でのミニセミナー。

数理システムは、2003年に開催された(社)人工知能学会主催の第18回AIシンポジウムからのお付き合いで、手がかかるユーザー代表として参加します。

【第18回AIシンポジウム】
http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/sympo/018.html

データマイニングで分析するだけでは、組織を動かせない!

まわりの人々を感動させてはじめて、分析が活きてくる!

普段は、ビール片手に語っている内容を公開してしまおうと目論んでいます。テーマは、数年前に専門誌で連載していた『数字で上司を説得するための第一歩』を使いまわし。

新たな話題を取り込もうとして、AKB48とデータ分析に関する考察を入れました・・・。ほぼ、完成に近いスライドを公開しますので、ご意見ください。

 ■ 数字で上司を説得するための第一歩

*5月13日、14日の両日、13:00-13:20と14:30-14:50の4回講演です。

2006年07月27日

医薬品検索データベース

赤本(日本医薬品集)のCD-ROMも医薬品医療機器総合機構の下記のサイトも、

http://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html (*)

使い勝手が悪く、特にマーケティングで使う時は、同一薬効群ごとに比較したいので不便だなぁ〜と感じていました。ところが、『Papua(パプア)』という無料のデータベースが最近ダウンロードできるようになりました。

http://papua-di.com/

効能効果に「糖尿病」を含み、併用注意情報に「副腎皮質ホルモン」を含む薬剤という検索もできます。出てきたリストをクリックすると添付文書(PDA、テキスト)、インタビューフォーム、薬のしおり等も、別ウインドウで見ることができます。

皆さんも、一度、ダウンロードしてみてはいかがですか?

続きを読む

2005年11月04日

マーケティング・データの解説 −社会医療診療行為別調査−

第3回は、「社会医療診療行為別調査」です。これは、国民医療費が、どこで、何に使われたかをまとめたものです。データソースは、医療機関(薬局含む)が国保や健保に医療費を請求するレセプトです。

多くの統計表が掲載されていますが、基本となるのは、下記の統計表ではないでしょうか。傷病別の薬剤費の使われ方や後発品(ジェネリック)の市場動向が金額ベースで把握できますので、医薬品の市場規模推計に役立ちます。

・表17(一般医療−老人医療別にみた薬効分類別薬剤点数の構成割合)
・表18(主な薬効分類別にみた年齢階級別薬剤点数の構成割合)
・表22(一般医療−老人医療別にみた薬効分類別薬剤点数の構成割合−薬局調剤)
・表23(主な薬効分類別にみた年齢階級別薬剤点数の構成割合−薬局調剤)

*詳細は、http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/cgi/sse_kensaku

ただし、毎年6月単月のデータであることを、忘れないでください!また、個々の医療機関名や薬剤名は記載されていませんので、市場動向を把握するためのデータということができます。
続きを読む

2005年10月12日

マーケティング・データの解説 −医療施設調査−

第2回目は、「医療施設調査」です。10月6日に公表された「医療施設調査」によれば、全国の病院数は前年比0.5%減の9077施設で、調査開始以来最低だったそうです。一方、病床数は0.04%減の163万1553床。一般病床は0.7%減の91万2193床だったものの、療養病床は34万9450床で2.1%増加です。

この調査を、医薬品マーケティングに使う機会はあまりないのですが、*IMSデータと組み合せて分析する場合、次のデータが必要となってきます。
●病床の規模別にみた施設数→表5
●診療科目別にみた施設数→表6
●都道府県別にみた療養病床を有する施設数・病床数及び65歳以上人口10万対療養病床数→表10

* IMS:主として医薬品の物流データ(地域別、大手医療機関別出荷量)を販売している情報サービス会社
http://www.ims-japan.co.jp/japanese/solutions_portfolio_optimization.php
続きを読む

2005年10月05日

マーケティング・データの解説 −患者調査−

医薬品マーケティング戦略を立案する場合、様々な市場データを分析することになりますが、本シリーズでは、そのデータの性質、分析上、頭に入れておかなくてはならないことに関して、説明します。

最近、エレガントな手法が比較的身近に使えるようになりましたが(下記参照)、データの性質を十分理解した上でないと、大きな誤解をすることになります。

参照記事:このブログの「マーケティング・インテリジェンス(MI) 」→「中核となるデータマイニング(Data Mining) その1」

まず始めは、厚生労働省が実施している患者調査です。

患者調査は、日本における患者全体の動向を知る上で貴重なものです。薬剤の潜在市場を推計する場合によく用いられます。

1.3年に1度、10月のある1日の患者数を調査したものであること。→冬に多い上気道感染症(インフルエンザ等)や、春先に多い花粉症、年末に多い胃炎・胃潰瘍などの患者数の推計には役に立ちません。

2.調査は、医療機関に依頼していますが、そのカバー率は、病院の約71%、一般診療所の約6.3%、歯科診療所1.9%(平成15年医療施設(動態)調査によれば総数は、病院9,122、一般診療所96,050、歯科診療所65,828)となっています。一応、推計患者数(調査日当日に、病院、一般診療所、歯科診療所で受療した患者の推計数)を算出していますが、詳細な分析には、注意が必要です。

3.推計患者数は、3年に1度、10月のある1日の日本全国の患者数です。傷病別の総患者数ではありません。下記の式をもとに算出していますので、注意が必要です。

総患者数=入院患者数+初診外来患者数+再来外来患者数×平均診療間隔×調整係数(6/7)
続きを読む