2016年04月13日

武田薬品の長期収載品対策

本日の日経朝刊に武田薬品テバの合弁会社の解説記事が掲載されていました。

合弁会社が発足した4月1日には、両社のロゴ入りクッキーが配られたの記載があり、いかにも外人好みの演出だなぁ〜と苦笑いしたのですが、後半の「武田は合弁会社のビジネス全体から対価を得る」方法が巧みなので、ウェバー社長は経営手法に秀でていると感じた次第です。

合弁会社から、利益を吸収する方法は次の3点です。

●当然、出資比率に応じた配当金を受け取る
●武田の強力な卸網を通じた販売を行い、販売手数料を合弁会社から受け取る
●移管する特許切れ薬を生産し、合弁会社に販売

新薬メーカーが、競合であるジェネリックメーカーと組みビジネスをフォーカスさせるということまでは、内資のメーカー(日本人)も考え付くでしょうが、こういった「したたかさ」まではなかなか日本人は持ち合わせていないのではないでしょうか?

しばらく前まで、新薬メーカーからの依頼でジェネリック医薬品からのブランド防衛策を考えていたのですが、恥ずかしい次第です。最近は、ジェネリック医薬品メーカーからのマーケティング戦略策定サポートの依頼も来るようになり、まさに"
時代は変るThe Times They Are a-Changin'"

************

後発薬、戦わず取り込む、武田、「宿敵」テバとの合弁発足、新薬集中へ収益源確保

2016/04/13 日本経済新聞 朝刊

武田薬品工業が後発薬世界最大手テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ(イスラエル)と手を組んだ合弁会社が1日船出した。後発薬メーカーは新薬の特許切れを待って同じ成分で安く薬をつくり需要を奪う「目の上のこぶ」のはず。存在感を増す後発薬との競合から協調へと戦略転換する新薬大手の姿が浮かび上がる。

合弁会社の新生「テバ製薬」(10月以降に「武田テバファーマ」に改称)が発足した1日、社内では武田とテバの歴史と特徴を記した小冊子が配られた。両社のロゴ入りクッキーも添えられ融和ムードを演出した。

武田は主力の高血圧治療薬「ブロプレス」など約30の特許切れ薬の事業をテバ側に移管。販売額(2014年度)は1250億円と武田の国内医療用医薬品販売の約2割を占める。現物出資の見返りに、テバから日本で後発薬事業を担うテバ製薬の株式の49%を得た。

「タケダが日本を捨てて世界に出て行くことはない」。3月上旬、特約店会議でクリストフ・ウェバー社長は居並ぶ医薬品卸首脳をなだめた。11年のスイスの製薬会社ナイコメッド買収、14年のウェバー社長就任に続くテバとの握手。グローバル路線の加速に国内取引先は懸念を深めていたが、武田の最大の収益源はあくまで日本だ。

■薄れる神通力

新薬メーカーは多額をかけて薬を開発・製品化する。特許で一定期間守られ、それを過ぎたものが特許切れ薬だ。特許が切れた後に他社が同じ有効成分でつくるのが後発薬で、開発費がかかっていないぶん安い。

そのため後発薬が出れば主力薬の神通力は薄れる。ブロプレスの国内販売額は15年4〜12月で前年同期比4割減。政府は医療費抑制に向け現在6割程度の後発薬シェアを20年度までに8割以上にするとしており、じり貧に陥りかねない状況だ。

米ファイザーが度々大型買収を試みるなど、世界の製薬大手は巨大化が進む。新薬開発の国際競争で生き残るにはまず国内で稼ぐ算段が必要だ。

4年ほど前から特許切れ薬を切り離そうと考えていた」。テバとの提携交渉を担った武田の岩崎真人取締役はこう明かす。米国などで後発薬の席巻ぶりを目の当たりにし、「日本だけが(特許切れ薬が売れる)特殊な市場であり続けるはずはない」と確信した。

当初は国内後発薬大手にも提携を打診したもようだが、なかなか条件が折り合わない。武田を最も有利に売り込める相手はどこか。テバは世界売上高2兆円超と武田を上回るが、日本事業は計算違いの連続だった。

08年、中堅製薬の興和と組み本格進出したが、戦略の違いで早々に合弁を解消。巻き返しを期し11年に国内後発薬3位の大洋薬品工業を買収したが、安定供給に不安が生じたことなどから100近くの製品の販売を中止せざるを得なくなった。

■短期では減収

薬の品切れを嫌う病院や薬局は取引に慎重になり、テバは「日本で新たなパートナーを探していた」(シャウル・ムフター上級副社長)。武田の強力なブランド力と販売網を使えば「日本でも後発薬のリーダーになる」(同)目標にも近づく。

武田はテバとの合弁から出資比率に応じた収益を得るほか、薬の流通ルートの提供に伴う販売手数料が入る。移管する特許切れ薬の生産も担い、「合弁会社のビジネス全体から対価を得る」(ウェバー社長)仕組みだ。 武田にしてみれば特許切れ薬という打率が落ちたベテランを差し出し、後発薬という伸び代が大きい若手を活用するようなもの。ある医薬品卸大手の首脳は「何でテバと組むのかと驚いたが、提携の中身を聞いて巧妙さに感心した」と話す。

だが目先は特許切れ薬移管のマイナスの方が大きい。16年度は約500億円の減収要因になる見通し。合弁はテバが株式の過半を握り、4月下旬に着任する新社長もテバ側が選んだ。品質や供給の問題が起きれば武田ブランドも傷つく。武田がどこまで目を光らせることができるかが課題だ。

後発薬を安定収益源とし、自らは新薬開発に集中する。後発薬をうまく利用しようとするのは政府や患者だけではない。

************
posted by lou at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月14日

長期収載品でいくか、ジェネリック医薬品でいくか?

厚労省は、今年2回目のジェネリック医薬品の薬価収載を行いました。主な成分は、抗血小板剤「アンプラーグ」、抗菌薬「トスキサシン/オゼックス」、高脂血症薬「ローコール」等です。

成分数も随分増え、ジェネリック医薬品の普及にも弾みがつきそうです。先の記事にも書きましたが、長期収載品は、ジェネリック医薬品と同じ程度の薬価が付きそうな雲行きですから、長期収載品をジェネリック医薬品にスイッチさせる企業も出てきそうです(田辺三菱は、すでにそうですか!)。

「ジェネリック医薬品」という最近価値が上がってきたブランドをとるのか、「新薬メーカー」のブランドをとるのか、マーケティング戦略を立てる上では悩ましいところです。

**********

厚生労働省は、特許切れ成分を使ったジェネリック医薬品100成分175規格を、11月13日に薬価収載する。

ジェネリック医薬品の薬価収載が年2回に増えてから3度目の収載で、品目数は394品目と昨年11月の収載に比べ4倍に急増した。

同省医政局経済課は「2006年度に通知した全規格揃えに各社が対応したため」と説明している。初収載は8成分。抗血小板剤「アンプラーグ」(先発企業・田辺三菱製薬)、抗菌薬「トスキサシン/オゼックス」(同・アボットジャパンと富山化学工業)、高脂血症薬「ローコール」(同・ノバルティスファーマ)にはそれぞれ22社、9社、3社が参入する。

**********

●ジェネリック医薬品メーカーの各社の動向は、医療介護CBニュースに詳しく載っていました。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25184.html

***********

沢井製薬:今回、20成分を発売、5月収載分と合わせた40成分で今期は約30億円の売り上げを見込んでいる。

【主な新発売成分】▽高血圧症・狭心症治療薬アムロジピン▽糖尿病治療薬アカルボース▽抗血小板薬サルポグレラート▽経口用セフェム系抗生物質製剤セフカペンピボキシル▽経口抗菌薬トスフロキサシントシル▽高コレステロール血症改善薬フルバスタチンナトリウム▽アレルギー性結膜炎治療薬トラニラスト▽抗がん剤エピルビシン▽抗生物質メロペネム

東和薬品:18成分を新発売し、今期2億円の貢献を見込む。

【主な新発売成分】▽サルポグレラート▽胃炎・胃潰瘍治療剤レバミピド▽セフカペンピボキシル▽広範囲経口抗菌製剤レボフロキサシン

日医工:15成分を発売し、11月だけで2億円を予想。

【主な新発売成分】▽サルポグレラート▽アムロジピン▽レバミピド▽セフカペンピボキシル

大洋薬品工業:13成分を発売し、今期4億1600万円の貢献を見込む。

【主な新発売成分】▽アムロジピン▽フルバスタチンナトリウム

マイラン製薬:9成分を発売。売り上げ予想は非開示。

【主な新発売成分】▽サルポグレラート▽セフカペンピボキシル▽糖尿病食後過血糖改善剤ボグリボース▽レバミピド

■田辺三菱製薬の子会社の田辺製薬販売:5成分を発売。売り上げ予想は非開示。

【主な新発売成分】▽セフカペンピボキシル▽トスフロキサシントシル▽レバミピド▽持続性Ca拮抗降圧剤マニジピン▽小児用解熱鎮痛剤アセトアミノフェン

***********

posted by lou at 11:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月08日

ジェネリック医薬品の調べ方

YOMIURI ONLINEのコラムに、自分が飲んでいる薬と同等のジェネリック医薬品(後発品)を検索する方法が紹介されています。

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/hyakka/20090507-OYT8T00554.htm

よくよく読むと、「ジェネリックスキャン」(発売元:リオ)というPC用のアプリケーションの宣伝のようですが・・・。

最後の方に、日本ジェネリック医薬品学会の「かんじゃさんの薬箱」という無料で利用できるサイトの説明もあります。

このサイト、結構、便利です。

http://www.generic.gr.jp/

posted by lou at 09:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月20日

ジェネリック医薬品の新製品

今年5月に新発売のジェネリック医薬品のニューフェイスが出揃いました。

昨年度は、厚労省が、ジェネリック医薬品の調剤率が30%以上の調剤薬局は報酬(調剤基本料)が増えるという普及促進策を打ち出しましたが、今年は、売上が大きい成分のジェネリック医薬品が登場して、さらに普及が進みそうです。

『株式会社じほう』のホームページによれば・・・
http://www.jiho.co.jp/yakugyo/news2.html

**********

2009年5月のジェネリック医薬品薬価追補収載に向け、製薬各社が承認申請していた後発品が今月中旬までに承認された。今回の追補収載の最大のターゲットとなるニューキノロン系抗菌薬レボフロキサシン水和物(先発医薬品「クラビット」第一三共、474億円)は32社41品目が承認を取得した。

5月収載は、1月15日までに承認を受けたものが対象。

**********

このほか、初成分となる後発品は・・・

ムコスタ(大塚製薬):胃炎・胃潰瘍治療薬;【一般名】レバミピド
フロモックス(塩野義製薬):セフェム系経口抗生物質;【一般名】セフカペンピボキシル塩酸塩
フォサマック(万有製薬)、ボナロン(帝人ファーマ):骨粗鬆症治療薬;【一般名】アレンドロン酸ナトリウム
カソデックス(アストラゼネカ):前立腺がん治療薬;【一般名】ビカルタミド

発売元等の詳細は、『日本製薬団体連合会』のホームページを参照ください!
http://www.fpmaj.gr.jp/iyaku/index.htm
posted by lou at 10:17| Comment(1) | TrackBack(1) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月27日

後発品(ジェネリック医薬品)について(11)

本日の毎日新聞に『ジェネリックの光と影(1) 導入進める健保、病院』との記事が掲載されていました。

http://mainichi.jp/life/health/news/20080826ddm013100123000c.html

今まで、このブログで、その都度取り上げたジェネリック医薬品に関するまとめとして役立ちますので、参考にしてください(記事は、要約・加筆してあります)。

************

●東京電力の健康保険組合(加入者約10万人)

『*ジェネリック医薬品促進通知書』で、昨年度の薬代負担が約2,700万円以上減少。このシステム投資は、初期費用135万円、運用50万円/月で、初年度から2,000万円の黒字となります。
ジェネリック医薬品促進通知書

*ジェネリック医薬品促進通知書:組合員(患者)が使っている先発医薬品名と、対応する後発医薬品名、後発品に切り替えた場合の薬代の最大削減額を知らせるサービス。

●広島県呉市も国民健康保険の加入者に2008年7月から東京電力と同様の通知を始め、約3,000人に送った。今年度予算に4,800万円を計上。

【関連記事】http://blogs.dion.ne.jp/lou/archives/6819508.html

●聖マリアンナ医大病院(川崎市)

後発品導入を2003年から始め、今は注射薬と内服薬計1,700品目のうち230品目が後発品という。導入4年で合計10億円の薬剤費削減

*病院は、1日当たりの入院費を定額で受け取る所が増えてきています(DPC)。その場合、薬代がかさめば病院の負担が増すので、安い薬は魅力というわけです。

【関連記事】http://blogs.dion.ne.jp/lou/archives/7525826.html

************

『ジェネリック医薬品促進通知書』は、(株)NTTデータと(株)データホライゾン(社長:内海良夫、本社:広島県広島市、2008年9月19日マザースに上場予定)が2006年4月 5日より始めたサービスで、医療費削減に役立っている非常にユニークなサービスです。

http://www.nttdata.co.jp/release/2006/040500.html

posted by lou at 12:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月01日

ジェネリック医薬品メーカーの昭和薬品化工がMBO

NIKKEI NETによると・・・昭和薬品化工





東京海上キャピタル



************

後発薬中堅の昭和薬品化工がMBOへ・東京海上系ファンドが出資

後発医薬品中堅の昭和薬品化工(東京・中央)は、東京海上日動火災保険系ファンドの出資を受け、4月下旬にも経営陣による企業買収(MBO)を実施する。買収総額は負債も含めて400億円弱とみられる。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080401AT1D280DI31032008.html

【東京海上キャピタル株式会社のリリース】
http://www.tmcap.co.jp/news/Release_Calonal_j.pdf

************

ジェネリック医薬品メーカーの再編が本格的になってきました。今年に入ってから、このブログに取り上げただけでも下記のような動きがあります。

また、インドのメーカーの動きもあります。
→トレント・ファーマスーティカルズ、ランバクシー・ラボラトリーズ、ルピン

http://blogs.dion.ne.jp/lou/archives/3485722.html

日本の売上下位メーカーの今後(2007年10月26日)にも書きましたが、「新薬メーカーと異なり研究開発費の負担は軽いのですが、利益率が低いため、上記のグローバル・メーカーとの競争が激化していった場合、外資の傘下に入る選択を迫られそうです。」

http://blogs.dion.ne.jp/lou/archives/6369124.html

----------

●2008年3月17日
 日医工、ジェネリック医薬品売上トップへ
 http://blogs.dion.ne.jp/lou/archives/6939094.html

●2008年3月14日
 田辺三菱製薬、ジェネリック医薬品販売の新会社を設立
 http://blogs.dion.ne.jp/lou/archives/6891517.html

●2008年1月23日
 持田製薬、後発薬を本格展開−3年後めど事業売上高30億円へ
 http://blogs.dion.ne.jp/lou/archives/6730032.html

----------


posted by lou at 10:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月06日

ジェネリック医薬品 普及の試み

ジェネリック医薬品の普及に関して、新たな自治体の取り組みが信毎web(信濃毎日新聞)が報じています。

http://www.shinmai.co.jp/news/20080306/KT080305ATI090015000022.htm

**********

長野県中野市は、値段が安い後発医薬品(ジェネリック医薬品)の利用促進に向け、市民が医療機関の窓口に、後発医薬品の処方を希望していることを伝えるためのカードを作り、年度内にも全戸配布する方針を決めた。

**********


お願いカード
同様な試みは、日本ジェネリック医薬品学会でも行っていて、「ジェネリック医薬品お願いカード」というものや、問診票などがあります。

http://www.generic.gr.jp/card_gif.html
http://www.generic.gr.jp/img/onegai/monshin.pdf



**********

中野市福祉課によると、同市の国民健康保険医療費の総額は2006年度、約66億円。このうち調剤費は約12億円を占める。

中野市は、現在17%程度とされる後発医薬品のシェアが、厚生労働省が目標とする30%になれば、調剤費が約4,000万円節減できると試算。「実際には、後発医薬品の存在自体を知らない人も多い。患者が使う薬への理解を深めるきっかけにもなる」(福祉課)として、カードの配布を決めた。

**********

今後、様々な試みが出現してくることでしょう。ジェネリック医薬品のメーカーもテレビコマーシャルばかりではなく、このような市民活動に対する支援を積極的に行うべきでしょう。株価には、さほど影響しませんが、売上と信頼度向上の効果は、じわじわと上がってくると思います。
posted by lou at 12:35| Comment(0) | TrackBack(1) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月28日

ジェネリック医薬品の促進策(2)

11月20日、けんぽれん(健康保険組合連合会)より、『医療に関する国民意識調査』の結果が公表されました。

http://www.kenporen.com/press/main.php

ジェネリック医薬品に関しての実態は下記のようになっています。

***********

●ジェネリック医薬品の服用経験が無い人々は82.0%いて、服用しなかった理由のトップが、『医療機関、薬剤師に勧められたことがない』52.5%でした!


健保連調査

●また、ジェネリック医薬品の効き目に関して:変わらない2.7%、わからない23.6%、効き目が落ちたがわずか3.6%です。

●ジェネリック医薬品の安全性について:不安を感じなかった人は73.9%、わからない10.9%、不安を感じた人は13.9%

●窓口での負担に関して:かなり安くなった46.7%、わからない28.5%、それほど変わらなかった23.6%

***********

ジェネリック医薬品を服用しなかった理由のトップが『医療機関、薬剤師に勧められたことがない』というのは、ちょっとひどいな!という感じです。また、効き目、安全性等は、処方をする側、調剤をする側の懸念とは裏腹に、問題にするほどのこともない!という程度です。

ジェネリック・メーカーがDTC広告を大量に行っても、ジェネリック医薬品の普及が進まないのは、ここが原因だった訳です!

まだまだ、最終消費者の意向より、処方をする側、調剤をする側の事情が優先するのが医療の世界の常識なのでしょうか(ジェネリック医薬品に関しては、どちらの事情が優先するのかは明確ではありませんが・・・)。

ところで・・・
続きを読む
posted by lou at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月18日

ジェネリック医薬品の促進策(1)

産経新聞(10月18日朝刊)やYahooニュースによれば・・・

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071018-00000070-san-soci

*************

厚生労働省は2007年10月17日、中央社会保険医療協議会(中医協)に対し「お試し調剤」制度を導入する考えを示した。

患者に後発薬(ジェネリック医薬品)を「お試し期間」として1週間程度使ってもらい、問題がなければ本格的に使用してもらう。

平成20年度の診療報酬改定で実現を目指す。

厚労省によると、「お試し調剤」の対象は、主に慢性疾患などで60日や90日といった長期の薬剤処方をされている患者。医師の処方箋(せん)に基づき初めて後発薬を使う際に、患者の同意を得た上で、まず1週間程度分の後発薬を調剤する。「お試し」の結果、患者は後発薬を使い続けるか、先発薬に変更するかを選ぶことができ、それを踏まえて改めて薬局が調剤する。

また、医師が処方箋で指定した後発薬が在庫切れだった場合、医師が処方箋に「医学的な理由から別銘柄への変更不可」などと明記しない限りは、薬剤師独自の判断で、同じ成分の別銘柄の後発薬への変更を認める考えも示した。医師が流通量の少ない銘柄を扱う特定の薬局と“癒着”するケースもあるためで、医師には別銘柄を調剤したことを後日通知する仕組みとする。

*************

沢井薬品の調査によれば、現在、医師がジェネリック医薬品に変更可能との処方箋を発行しても、調剤薬局では、患者は26.3%しかジェネリック医薬品をもらっていません。

その理由は、このブログの下記の記事を参考にしていただくとして・・・

http://blogs.dion.ne.jp/lou/archives/5887942.html

上記の記事では詳細はわからないですが、おそらくは、薬剤師にだけにジェネリック医薬品のブランド選択をさせるのではなく、医師にも協力してもらおう!ということでしょうか。

これにより、ジェネリック・メーカーは、売上を伸ばすために医師への情報提供が欠かせなくなり、それができるところと、できないところの売上の差が開いていくでしょう。ジェネリック医薬品もMR力が重要となってくると思われます。

もしくは、MR力を補うために、医薬品卸との連携を深めるという戦略も有効でしょう。
posted by lou at 10:11| Comment(1) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月10日

後発品(ジェネリック医薬品)について(10)

YOMIURI ONLINEが読売新聞(2007年7月9日)の「後発薬2倍に」政府方針…製薬業界に波紋」という記事を掲載しています。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070709-OYT8T00098.htm

***********

政府が6月にまとめた「経済財政改革の基本方針(骨太の方針)」には、医療用医薬品に占める後発薬の割合(数量ベース)を2004年度の16.8%から、12年度までに30%以上に引き上げる目標が盛り込まれた。

政府目標が実現すれば、「単純計算で後発薬市場が倍になる一方、新薬市場は7,000〜8,000億円縮小する」と見込まれる。

ある中堅新薬メーカーの幹部は、「革新的な新薬を作るか、後発薬を扱うか、それとも市場から退出するか、選択を迫られている」と危機感を募らせる。

4月にはインド製薬大手のザイダスグループが、後発薬メーカーの一角である日本ユニバーサル薬品を買収した。世界最大手の後発薬メーカー、テバファーマスーティカルなど海外の後発薬大手はM&Aを重ねて成長しており、外資がいつ、日本メーカーに狙いをつけてもおかしくない。

新薬メーカーでも、10月に誕生する田辺三菱製薬は2008年度に後発薬子会社を設立する。インドの後発薬大手のランバクシーと提携関係にある日本ケミファも製品数を増やし、後発薬の売上高に占める割合を5割から7割にする計画だ。

***********

私は、政府の「骨太の方針」は、2つの点から実現が遅れるのではないかと思います。

続きを読む
posted by lou at 00:00| Comment(4) | TrackBack(1) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月22日

後発品(ジェネリック医薬品)について(9)

米国では、小売店での低価格化が進みそうです。

**********

●米ウォルマート、後発医薬品を300種値下げ
 NIKKEI NET

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060922AT2M2200622092006.html

米小売最大手、ウォルマート・ストアーズは9月21日、店内の薬局コーナーで販売する300種の医薬品を値下げすると発表した。対象は特許が切れた後に同じ成分を使って製造する後発医薬品で、医師の処方せんに基づいて販売する。全米に4,000店舗を持つ同社は仕入れ規模が大きいため価格引き下げが可能で、他のドラッグストアなどには脅威となる。

22日からフロリダ州のタンパ・ベイ地域の65店で実施。来年から他州に広げる。アレルギー、高血圧、糖尿病薬などの300品目を1回の処方せんごとに1品目4ドルの低価格で提供する。

後発医薬品はもともと一般的な新薬より割安だが、米国に4,600万人いる健康保険未加入者にとっては負担は大きい。ウォルマートは「130万人に上る従業員への医療保険の提供が不十分」と外部の労組などから批判を浴びており、値下げする医薬品は自社の従業員も購入できる。

**********

posted by lou at 11:38| Comment(3) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月14日

後発品(ジェネリック医薬品)について(8)

後発品(ジェネリック医薬品)に関して、医師会の意見と厚生労働省のコメントが、日刊薬業(2006年9月14日)に掲載されていました。

後発(ジェネリック医薬品)に関しては、医師に対する説明が不十分で、理解が進んでいないことが課題となっているようです。

***********

@ 日本医師会は、12日、医師を対象に実施した「後発医薬品に関する緊急調査結果」で、後発品の品質や効果、情報提供、安定供給などに問題があるとする意見が多数寄せられたことを明らかにした。

主な結果は・・・・

品質に問題あり:53.8%
効果に問題あり:68.8%
医薬品情報提供に問題あり:81.9%

詳細は、http://www.med.or.jp/teireikaiken/20060912_1.pdf

***********

A 厚生労働省医政局武田俊彦経済課長のコメント。日本医師会が「後発品医薬品に関する緊急調査結果」を公表したことを踏まえ、必要に応じて後発医薬品業界と話し合う考えを示した。

日刊薬業(2006年9月14日)より抜粋

***********
posted by lou at 09:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月30日

後発品(ジェネリック医薬品)について(7)

本日の日本経済新聞朝刊(2006年5月30日)に、インドの後発医薬品メーカーが日本市場に販売攻勢をかけているとの記事が掲載されています。

迎え撃つは、東和薬品、沢井製薬、日医工、エルメッド エーザイ、大洋薬品など、国内企業。田辺製薬も参入の意欲を見せています。

各社のマーケティング戦略、特に少ないMRをカバーするためのe-マーケティングの活用が重要となってくると思います。

●中堅のトレント・ファーマスーティカルズは2008年にも自社の後発薬を発売。トレント社は4月、横浜市に日本法人「トレント・ファーマ」を設立。自社の後発薬について厚生労働省から承認を受け、インドで生産した得意の循環器領域など製品を今後提携する日本の製薬会社を通じて販売する。

●大手のランバクシー・ラボラトリーズも日本市場向けの取扱商品を拡充する。ランバクシー社は昨夏から糖尿病治療薬を提携先の日本ケミファを通じて医療機関に販売している。厚生労働省から承認を受けた後発薬をインドの工場で生産し、日本に輸出する仕組み。糖尿病治療薬以外にも商品群を広げる構え。
 
●インドの中堅医薬品メーカーのルピン社は昨夏、共和薬品工業(大阪市)と提携。共和薬品が2008年以降に発売する一部製品の開発・製造を受託する計画。
posted by lou at 09:01| Comment(6) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月20日

後発品(ジェネリック医薬品)について(6)

日経産業新聞(2006年4月19日)より

***********

インド製薬大手、海外で買収攻勢
独社を700億円、ルーマニアで400億円。後発薬市場に足場築く

【ニューデリー=小谷洋司】インドの製薬大手が海外で買収攻勢をかけている。ドクターレッディズ・ラボラトリーズが約七百億円で独企業を買収、ランバクシー・ラボラトリーズもルーマニア企業を約四百億円で傘下に収めた。今年に入ってからの買収額は二〇〇五年同期の三倍近い。ジェネリック(後発)医薬品市場が海外で拡大していることが原動力だ。

**********

IMS Health(2005年)によれば、主要国のジェネリック医薬品(後発品)の数量ベースでの使用比率は、下記のようになっています。(  )内は成長率です。

http://www.ims-japan.co.jp/docs/industry_trends_art_006_j.pdf

 米国:38% (11%)
 ドイツ:31% (9%)
 英国:36% (19%)
 フランス:10% (30%)
 カナダ:36% (20%)
 スペイン:8% (13%)
 イタリア:4% (20%)
 日本:2% (-2%)

日本の数値は、IMSが医薬品卸のデータを用いているためメーカー直販の販売分が抜けていると思われ、その結果、かなり低くなっています。詳細は、われわれのデータを見てください。

http://www.h6.dion.ne.jp/~gooddiet/LOVELOG_IMG/1.pdf

ジェネリックの比率が、米国、カナダ、ドイツ、イギリスでは30%を超えており、なかなか市場が広がらない日本市場にこだわらず、日本のジェネリックメーカーも海外戦略を進めてはいかがでしょうか?


posted by lou at 12:25| Comment(1) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月10日

後発品(ジェネリック医薬品)について(5)

米国のペンシルベニア州が行っている後発品(ジェネリック医薬品)に関するキャンペーン記事に関するブログ記事がありましたので、ご紹介します。

後半のコメントも、興味深いものがあるので、是非、ご一読を!

Pharma Marketing Blogより
http://pharmamkting.blogspot.com/2006/03/generic-detailing.html

********************

2006年3月19日
ジェネリックのディテーリング

先週月曜日、ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)に「薬剤費高騰のため、逆セールスを受けた医師が出現」というタイトルの記事が掲載された。その記事には「ネガティブ広告」というキャッチフレーズが加えられていた。下記の最初の数行を読むと、趣旨がわかるだろう。

クリスティン・ニコは、製薬企業の営業マンのように、巧妙に作られたパンフレット、周到に用意されたディテーリング、ランチの経費を持ち医師のオフィスに現れた。

しかし、かってイーライ・リリーの営業であったニコさんは、ペンシルバニア州によって資金を提供された「不買」チームの一員なのだ。そのメッセージは、ハーバード大学教授によって磨かれたものである。その教授は、医師が、製薬企業のマーケティング部門によるものではなく、科学的根拠に基づき診療方針の決定をすることを推進しているのだ。様々なアプローチによって、ニコさんは、より安価なジェネリック医薬品服用や生活様式の変容が、コストも安いことを主張する。彼女の話は、アストラゼネカの胸焼けの薬「Nexium」やファーザーの関節痛に薬「Celebrex」など大型製品である医薬品と対抗することもある。

続きを読む
posted by lou at 07:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月13日

後発品(ジェネリック医薬品)について(4)

12月13日の日本経済新聞朝刊によれば、2006年度の薬価改正に関して、下記の観測を述べています。

薬価部分は後発品のある医薬品の価格を一律に引き下げる制度改正を実施し、1.5〜1.8%の引き下げとする方向で固まりつつあり、今後の調整では本体部分の下げ幅が焦点になる。

この通りになると、後発品の有る医薬品(先発品)で売上規模が大きいメバロチン、ガスターの薬価が他に比べて大幅に下がり、第一三共、アステラスの業績に大きな影響が出ることは必至です。今後の成り行きに注目!
posted by lou at 09:37| Comment(4) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月08日

後発品(ジェネリック医薬品)について (3)

前回、後発品(ジェネリック医薬品)について(2)では、高血圧の患者の後発品処方率は'03年が12.1%、'04年が10.2%、'05年が10.0%との調査結果を報告しましたが、ある人から下記のような指摘がありました。

高血圧に罹っている患者は、コレステロールも高かったり、場合によっては糖尿病にも罹っていることが多いものです。前回の報告では、高血圧を治療する薬だけに絞った後発品処方率でしたが、実際に高血圧にかかっている患者がもらう薬のうち、何%が後発品なのでしょうか?

確かに、上記の指摘は、より実態に即した後発品処方率を表していると思います。そこで、さっそく疾病群ごとに処方率を算出しました。

後発品表1をご覧ください。

なお、このデータは前回同様株式会社シーエーシーが行った調査をもとに算出しています。

さて、データを見てみましょう!高血圧は、国際的な疾病分類(ICD-10)の大分類では「循環器の疾患」に入りますから、赤点線で囲った部分に注目してください。

この表は、2003年4月〜2005年3月に医療機関で「循環器の疾患」を治療した277,316名の患者に対して、1,323,591種類(ブランド)の医薬品が処方され、そのうち218,240種類が後発品であったことを示しています。

すなわち、「循環器の疾患」を治療した患者は、平均4.8種類の薬剤を処方され、そのうち、後発品は16.5%だったわけです。こうしてみると、11月10日に報告した大和証券のデータに比べて(数量で12%)、処方率は高い数値を示しています。

同様に見ていくと、下記の疾患群の後発品処方比率が20%を超えています。

●感染症および寄生虫症/新生物/血液および造血器の疾患ならびに免疫機構の障害:21.4%
●眼および付属器の疾患:23.4%
●呼吸器系の疾患:25.0%

まだまだ、米・英・独並みとは言えませんが、少なくともフランスよりは後発品処方比率が高いということがわかりました。後発品は単品価格・シェアが低く、その流通はメーカー直販によるものが多いため、補足するのが難しいため、売上の集計ではデータが低めになってしまうのではないかと考えられます。

また、後発品処方比率が高くなっても、同時に処方される薬剤数が減少していかないと意味がありません。先発品はそのままで、後発品がさらにオンされてしまうようでは、医療費・薬剤費はいつまでたっても減少していきません。この点のウォチングが重要です。
posted by lou at 12:06| Comment(1) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月05日

後発品(ジェネリック医薬品)について(2)

後発品(ジェネリック医薬品)の市場動向に関して、株式会社シーエーシーにおける調査結果の一部を紹介します。

(「後発品図1」参照)

 →詳細は、冊子とCD−ROMにまとめられていますので、そちらを参照ください!

高血圧患者180,811名('03年4月〜'05年3月)の薬剤処方率を集計した結果、高血圧患者が後発品を処方されている割合は、'03年が12.1%、'04年が10.2%、'05年が10.0%となりました。

●先に述べた大和証券の資料では、全医薬品の後発品(ジェネリック医薬品)の割合は12%ですから、高血圧患者の後発品処方率は全体と比べて、若干、低いようです。

●医薬品工業協議会の資料では、'04年の後発品の伸び率が鈍化しているとのことでしたが、この高血圧患者のデータにもその傾向があるようです。

いずれにしても、我国で最も患者数が多い高血圧患者での後発品処方率は、伸び悩んでいるという現状が浮かび上がってきました。

ちなみに、高血圧患者の処方率を薬効別に見ると、ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤、ACE阻害剤が減少し、アンジオテンシンU受容体拮抗剤が順調に伸びています。
続きを読む

posted by lou at 11:47| Comment(1) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月10日

後発品(ジェネリック医薬品)について(1)

今年は武田薬品工業の糖尿病治療薬「ベイスン」や山之内製薬の排尿障害剤「ハルナール」など大型先発医薬品の特許切れが相次ぎ、7月に多数の後発品(ジェネリック医薬品)が発売されました。

また、本年夏ごろから、処方せん様式の変更の議論が高まり、後発品メーカーの株価が高騰したことも記憶に新しいでしょう。これは、医師が書いた処方せんを薬剤師が患者の意見を聞きながら同等の効き目で、より安い後発品に切り替えることができるという「代替調剤」と実質的には等しい改革になります。

さらに、厚生労働省は中医協に対して、処方せん様式に『後発医薬品への変更可』『後発医薬品への変更不可』のチェック欄を設けるという具体的な提案を行いました。

この処方せん様式の変更という提案に対して、診療側委員は反対の意向を示し、「百歩譲って医師が可という“しるし”を付けることなら議論に応じてもいい」と述べました。

ご存知のように、日本の後発品処方率は、欧米各国と比べて極端に低く、政府は後発品の促進を医療費削減の有効な手段として考えています。 

ジェネリック医薬品のシェア(数量)
 アメリカ:52%
 ドイツ:50%
 イギリス:52%
 フランス:12%
 日本:12%
  →大和証券:経営情報サーチ2005/冬より
  http://www.dir.co.jp/research/report/bio-medi/041201bio-medi.pdf
その後の後発品をめぐる動きを整理してみましょう。
続きを読む
posted by lou at 10:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 後発品について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする