2016年09月26日

医薬営業、清廉か行き過ぎか?

2016年9月26日の日経産業新聞に、『医薬営業、自主規制に波風、清廉か行き過ぎか。』という記事が掲載されていました。

今年7月下旬、神奈川県内科医学会は「製薬業界のあり方について考える」と題した提言を公表し、その中で「製薬企業が自主規制を強めるあまり、必要な情報が医師に届かなくなっている」との警告を発したとのことです。

確かに、2015年10月1日発効の『医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領』が出てから、販促資材がどこの製薬企業も同じようなものになっていると違和感を覚えていました。

不正な情報を伝えるのは言語道断ですが、情報を十分に伝えないことも医薬品の有効性・安全性を著しく阻害することを念頭に置いた営業活動、情報提供を行うべきではないでしょうか?

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医薬営業、自主規制に波風、清廉か行き過ぎか。
2016/09/26 日経産業新聞

医薬品の営業現場が揺れている。臨床研究の不正問題をきっかけに、製薬会社の医薬情報担当者(MR)が医師との親密さを競う手法が見直された。透明性は格段に高まったが、ここにきて医療界から「製薬会社の自主規制は行き過ぎているのではないか」といった異論が上がり始めている。

今月13日、スイス製薬大手の日本法人であるノバルティスファーマが都内で開いた記者会見。ダーク・コッシャ社長は、元社員による薬の臨床研究への不正関与が疑われている件に関し、研究への支援方法や奨学寄付金の審査方法などを見直したとし、「引き続き信頼回復に努めていく」と決意を表明した。

同社や武田薬品工業などによる不正問題が発覚したのは2013年から14年にかけて。新薬発売後の医師主導の臨床研究で、MRによる行き過ぎた関与や、使い道を制限しない奨学寄付金として研究費用を自ら大学病院に提供していた事実などが相次いで判明した。

こうした行為をなくすため、日本製薬工業協会は14年4月に臨床研究支援に関する考え方を発表。中立性が疑われる労務提供や、営業部門が奨学寄付金を提供しないよう製薬各社に求めた。

この結果、医師と製薬企業の関係は透明性がずいぶんと高まった。製薬各社は医師に対する資金供与データを公開し、MRが提供する薬剤情報の範囲を制限するなど、自主規制の取り組みを強化している。

一方で、医療界からは最近異論が出始めた。神奈川県内科医学会は今年7月下旬、「製薬業界のあり方について考える」と題した提言を公表。その中で「製薬企業が自主規制を強めるあまり、必要な情報が医師に届かなくなっている」との警告を発した。

製薬企業が開催する医師向けの講演会では、薬に関する情報に制限がかかり、学会で発表された最新の情報も講演者は提供できないという。製薬企業が事前に講演内容をチェックし、改変を求めるケースもあるようだ。

さらに、MRが提供する薬の情報が添付文書に記載された画一的な内容に終始し、聞きたい情報が得られないといった不満を漏らす医療関係者も増えている。実際の診療に役立つ情報とは、類似の薬との比較など添付文書にない内容がほとんど。最新情報や経験豊富な医師の意見を聞きたいというニーズは大きい。

製薬企業はこうしたニーズにこたえるべく、メディカル・サイエンス・リエゾン(MSL)という職種を置くようになった。販売目標などのノルマを課されず、中立的・科学的に医療に役立つ情報を提供する役職で、ノバルティスをはじめとする多くの製薬企業がMSL制度を採用している。ただ、その人数は1社当たりせいぜい数十人規模で、現場に広く浸透しているとは言い難い。

自主規制で高まった透明性が再び曇るようなことはあってはならない。この点は製薬会社だけでなく、医師の側にも清廉さを保つ姿勢が求められる。ただ、顧客満足度を高める取り組みはどんな業種でも基本であり、製薬各社の営業戦略が問われている。
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2015年07月31日

MR数、1年間で初めて1000人を超す数が減った!

メディカルアフェアーズへの鞍替えもあるので、減少数は少なくなるでしょうが、減少トレンドが続くことは間違いないと思います。

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製薬企業の営業職にあたる医薬情報担当者(MR)が減少する時代に入った。公益財団法人のMR認定センター(東京・中央)によると、2014年度末まで1年間で初めて1000人を超す数が減った。業績が悪化したスイス製薬大手ノバルティスファーマの日本法人など外資系が中心で、国内勢でも減らした企業がある。市場の低成長の見通しやインターネット上の医薬品情報の増加で、効率化に動く製薬会社が増えている。

調査は最新のMR白書にまとめた。14年度末は全国で6万4657人と、13年度末比1095人(1・7%)減った。調査を始めた00年度は4万9212人で、13年度までに約1万5000人増えた。毎年増加してきたわけではないが、過去の減少は多くても100人程度にとどまっていた。

白書では国内企業と外資系メーカーに分けて、MR数の増減を記載している。減少が顕著なのは外資系で、2万2960人と1087人減った。

減員が目立ったのはノバルティスファーマだ。高血圧症薬「ディオバン」の特許切れと、臨床研究の不正発覚を受けて業績が悪化。従業員の希望退職などで、15年4月のMR数は14年1月より約300人少ない約1900人に減った。

ファイザーも14年12月までの1年間で、173人減り2555人となった。同社は「自然減や配置転換、新卒採用の抑制によるもの」と説明している。

一方、国内企業のMR数は3万7485人と400人増加。後発薬大手は政府の普及促進策を追い風に、MRの採用に積極的な企業が目立つ。医薬品の受託販売会社を指すCSOは182人増の4139人となった。

ただ、新薬メーカーでは、中外製薬がメディカル部門への移籍などで14年12月に約100人減の約1600人となった。大日本住友製薬は15年3月に約50人減の1350人となった。

MRを取り巻く環境は厳しさを増している。厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会が今月開いた薬価専門部会では、委員がMRの過剰な営業姿勢をただすよう指摘した。医療機関は自らMRの訪問を規制する動きを強めている。

ネットの医薬品情報もMRの役割を見直す一因となっているようだ。エムスリーの医師向け情報提供サイト「エムスリードットコム」には、全国の医師の8割に相当する25万人が登録している。

欧州製薬団体連合会によると、25年の国内医薬品市場は10兆4000億円と14年比4%増にとどまる見通し。薬価の高い新薬から後発薬に切り替えが進むことや、薬価の引き下げが市場の伸びを抑える。製薬企業は固定費圧縮などのため、MRの効率化を強める可能性がある。

(2015/07/31 日経産業新聞)
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2011年10月14日

MRの評価【解決策の提言編】−MRを販売部門からCS部門へ

ビリー・ビーンは、野球を単なる点の取り合いを競うゲームではなく、「27個のアウトを取られるまでは終わらない競技」と定義しました。

それにより、打者は打率ではなく出塁率を評価指標とし、選球眼や慎重性をも評価しました。投手はファーボールを出さず三振を取ること、打たれた打球がゴロになる率を評価指標としました。

そして、従来の評価であった打率や打点、失策、防御率、勝利数を評価の対象から外しました。

このような考え方を医薬品の営業に当てはめ、MRを再定義することはできないでしょうか?

そのような発想から、私はMRを販売部門から、カスタマーサポート(CS)部門に配置転換してはどうかと考えています。

CustomerSupport.jpg

その場合、営業部門ではないので、評価指標は、売上SOV(コール数)ではありません。

ドクターや薬剤師からの問合せに対し、

 ●月の回答件数は何回か?
 ●いかに短時間で回答したか?
 ●回答を十分に理解してもらったか?
 ●ブランドや企業に対する満足度が向上したか?
 ●製品に対する問題点、課題を企画、製造部門に素早くフィードバックできたか?

ということが主な評価指標となるでしょう。

現在のMRと異なり、短期的な売上減を恐れるあまり、無理して処方してもらうことは、患者さんに合わなかったり、副作用が出てしまいますので、カスタマーサポート(CS)部門の一員として行う理由が無くなります。治療満足度の低下を招くことや、間違った用法での副作用出現は、長期的にみるとそのブランドや企業イメージに対して大きなマイナスになりますから。

また、臨床症例をよく勉強する事によって、質問したドクターや薬剤師の理解が進み、ブランドや企業イメージが向上するので、俄然、やる気が出てくるというものです。「そんなに勉強しても、売上はそれだけかい・・・」と冷たい視線で見られることもなくなります。

どうでしょうか? カスタマーサポート(CS)部門への配置転換

長期収載品が多いメーカーのMRの方々やジェネリック医薬品のMRの方々には、そこそこ、共感してもらえるのではないかと思います。

しかし、問題は、「では売上を促進するのは、どこがやるのか?」ということです。

この点に関しては、下記の記事を参考にしてみてください。

答えになっていないって?・・・(少し考えさせてください)

【関連記事】

MR数の削減について

企業の視点と顧客の視点が交差するMR活動のマネージメント

MRの古い武器

2つに分かれていくMR(営業部門)

製薬企業の企業サイトとプロモーションサイト



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2011年10月13日

MRの評価【問題提起編】 −ビリー・ビーンから学ぶ−

国際医薬品情報2011年9月26日号に、『求められるMR評価システムの見直しとSOV至上主義からの脱却』という対談記事がありました。

MRの成立ちや、最近のMRの問題点が浮き彫りにされていて、まだ、こんなことをやっているのか・・・、という点も多々あり、読み応え十分!

その記事に、最近のMRの問題点として挙げられていたのは・・・

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●臨床症例を勉強していない。

●そもそも、製薬企業のMR継続教育では、臨床症例の勉強の機会が少ない。

●売上でMRを評価しているので、臨床症例を良く勉強しても評価につながらない。

●発売して3年も経った薬のディテーリングを強いる営業幹部が多い。これは、*SOV神話に支配されているから。

*SOV神話:MRが特に目新しい説明をしなくても、足繁く医師の元に顔を出すことによって、医師の記憶に残ったり、憐みの感情により、医薬品の売上が伸びるはずだという思い込み。

●領域性MRが日本では機能していない。

●MRに余分な仕事を強いている営業部門の非MR。

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この対談の中心的なテーマとなっているMRの評価については、実現可能な提言が無かったのが残念です。上司(評価者)が医師や薬剤師に部下のMRの評価を尋ねるべきとの意見も出ていましたが、これは実現が難しいですね。さらに手間やコストがかかります。

評価の方法を変えるだけで、組織は随分と変わっていきます。評価はとても大切な事なのですが・・・。

読者の中にも(私も含めて)、どれほど、上司の評価に悪態をついたことか!

このことを考えていて、私の頭の中にすーっと浮かんできたのは、大リーグ球団アスレチックスGMのビリー・ビーン。彼は、セイバーメトリクスというデータ中心の理論を駆使し、無駄な要素を極力省き低予算でチームを強くすることを実現しました。

ビリー・ビーンは野球は単なる点の取り合いを競うゲームではなく、「27個のアウトを取られるまでは終わらない競技」と定義し、下記の点を重視しました。

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【野手】

●打率ではなく、アウトにならない確率、すなわち出塁率(ファーボールや振り逃げを含む)を重視。高打率の選手はコストがかかるため、打率が多少低くても出塁率の高さを優先して選手を獲得。

●出塁率を上げるためには、選球眼慎重性(自分の苦手な球には手を出さない)を評価指標として重視。

【投手】

与四球を与えない(出塁率重視の裏返し)。

●最も確実にアウトに出来る奪三振を重視。

●失点確率を低くするためには長打を打たれないことが重要になるため、被本塁打被長打を打たれない事を重視。打たれた場合の打球がゴロであれば、長打となる率は低くなる。そのため、打たれた打球がゴロになる率も評価基準として取り入れた。

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打者であれば、バントや犠打、盗塁、打点、失策を評価せず、投手であれば、被安打数、防御率、勝利数、球速を評価しなかったので、当初は相当な批判を浴びました。

彼の戦略に関してはウィキペディアをじっくりと読んでみてください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB

また、11月11日に公開されるブラッド・ピット主演の『マネーボール』は、彼がモデルです。



これって、MRの評価に応用できませんか?




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2011年06月20日

MRの接待禁止と営業組織の問題点について

これは、医療用医薬品製造販売業公正取引協議会が、2012年4月から実施される接待関連行為の見直しの骨子を公表しました。

その骨子は、ミクスOnlineによれば・・・

●商談の打ち合わせに伴う飲食は1人単価5,000円を上限とする。
●医薬情報担当者による自社医薬品の説明会に伴う茶菓・弁当は1人単価3,000円を上限とする。
●自社医薬品講演会に伴う情報交換会(立食パーティ)での飲食は1人単価2万円を上限とする。
●講演会役割者に対する慰労等の飲食は1人単価2万円を上限とする。
●講演会・研究会等の世話人会等の会議出席者への飲食は1人単価2万円を上限とするとする。
●アドバイザリー会議等の会議出席者への飲食は1人単価2万円を上限する。
●上記以外の飲食の提供は禁止。飲食提供後、改めて提供内容を変えて飲食を提供すること(いわゆる2次会)も禁止。ゴルフや釣り、観劇、遊興などの「娯楽の提供」も禁止。

http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/40787/Default.aspx

私は、この件に関して、国際医薬品情報(2011年6月13日号)のコラム”薬業時事”の一節が頭から離れません・・・。

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一方で、MR以外の関係者はもっと深刻である。

営業本部長、支店長、営業所長という管理職も、この基準となるからだ。MRと医師に同行して、MRにできない高額な会食提供は、このクラスの役割であり、特権だったからだ。

このクラスは、人間関係や経験値でこなすタイプが多い。つまり、接待というのは、彼らの大きな武器であったわけだ。

このクラスの本来の業務はマネジメントと人材育成である。彼らこそ、大きな意識改革と新しいスキルアップが求められることになる。

一体、営業本部長や支店長は、顧客との関係構築を今後どのように行っていくのか、各製薬企業のの方向性について、今から興味があるところだ。

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営業本部長、支店長、営業所長という管理職は、一般のMRよりも給与は高いのでしょうが、こんなことが常態化している組織があるなんて!

まさに、コストの二重垂れ流しです。

公正取引協議会のよる規制の見直しにより、接待費のコストは削減できますが、こんなことをしている管理職の給与コストの削減は、どのように進んでいくのでしょうか?

大きな意識改革と新しいスキルアップが求められる、とありますが、こんな上司の実態を知ってしまったMR(部下)が、彼の上司が努力して、意識改革を成し遂げ、新たなスキルを身につけたとしても、上司を心の底からリーダーと認めるでしょうか?疑問です。

私は、数年前から、製薬企業にとって営業コストの削減の時期に来ていると主張していましたが、単に営業人員(MR)を減らすだけではなく、組織の在り方こそを見直すべきと感じた次第です。浅はかでした・・・。

現在、多くの製薬企業は『製造販売業』ですが、eによる情報提供やプロモーションもあるし、CSO、卸のMSの活用もあります。もう製薬企業は、製造業に専念して、営業に関しては、丸投げ(BPO:Business Process Outsourcing)した方がいいのではないでしょうか。



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2007年03月14日

効率の良い営業活動をして、余った時間は何をするのか?(2)

MRの方が所属している部署は、「営業部」、「医薬事業部」などの名称であることが多いのではないでしょうか?

厚生労働省が決めたMR自体の定義そのままではなく、製薬企業としては、営業、事業等、営利活動であることを求めているわけです。

米国の医薬品マーケターJohn Mackによれば、米国では、医薬品マーケティングの対象を医師だけではなく、医師と患者双方に向けて、様々なメディアを駆使して行っています。

@ 医師向け
● e-ディテーリング
● Point of Careマーケティング(e処方)
● MR
● 専門誌広告
● 学会

A 患者向け
● 消費者主導型メディア(Consumer Generated Contents:SNSやブログ)
● 健康をテーマにした見本市
● 屋外、イベント現場(看板、スポーツ)
● 薬局店頭でのキャンペーン
● 雑誌、新聞
● 医療機関でのキャンペーン

B 医師+患者向け
● 第3者のWebサイトへの支援
● コールセンター
● ダイレクトメール
● e-メール
● 他の技術的プラットフォーム(CD/DVD、携帯電話、テキストメッセージ等)
● ポッドキャスト
● サーチエンジン
● TV(全国放送)
● TV(スポット広告)
● テレマーケティング
● バナー広告

@は、日本でもほぼ同様な活動が行われていますが、Bにも医薬品の営業・事業を担っているMRの活躍する余地があるのではないでしょうか?

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2007年03月09日

効率の良い営業活動をして、余った時間は何をするのか?(1)

コール数を増やすことばかり考えないで、ディテーリング内容の比率の是正や提案内容を検討することにシフトしていくと、時間的余裕が生まれると思います。

営業本部やマーケティング担当者からの報告の類がたくさんあると思いますが、これも、工夫次第では大幅に減らすことが可能です。IMSのデータやインテージのRepTrackなどの2次データを導入しているところは多いでしょうし、MSからの情報収集の道もあるでしょう。これらを活用すれば、市場の状況はかなり正確に把握できるはずです。

また、報告書が出ても、ぱらぱらと見るだけの場合も多いものです。このようなものは、ドシドシやめていきましょう。報告書があがってきても、売上が伸びるわけではありません。間違っても、会議で必要だからという理由で、報告書を作成しては駄目です。

本部スタッフは、本当に報告が欲しい事項があった場合は、まずは現場に飛び込んでいくことが重要です。そして、自分で経験した上で、仮説を持ち、できるだけ報告書の負担を軽くするように考えるべきです。闇雲に、何でも報告させようというのは愚の骨頂です。

さて、そのような努力をして、時間的余裕を確保した上で、何をするのか?

医薬品の適正な使用に資するために、医療関係者を訪問すること等により安全管理情報を収集し、提供することを主な業務とする。

というのは、厚生労働省が決めたことで、企業、すなわち株主価値向上を目指す組織として考えていくべきことはたくさんあります。「事業価値の増加」と「非営業部分の最適化」の2つのアプローチがあると思いますが、これから、「事業価値の増加」について考えていくことにしましょう。具体的に言えば、「営業の幅を広げる」ということになるでしょうか?

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2007年02月22日

なぜMRは、邪魔者扱いされてもドクターに会いに行くのか?(3)

「10年単位で見ると、ディテール量と売上は比例する」という大昔の仮説に従ったマーケティング戦略を行おうとする本社マーケティングスタッフ、もしくは営業本部の指示に従って、MRは動いているわけです。

これが、『なぜMRは、邪魔者扱いされてもドクターに会いに行くのか?』という質問の解答です。

MRは、もっと主張すべきなのです。勇気がちょっと足りない方は、主張の方法を工夫してみましょう。Monthlyミクス(2006年9月号〜)の連載『マーケティング データ活用時代のリテラシーとコミュニケーション』を参考にしてみてください。

私が思うに、SOVは、他社とディテーリング量の比較をするのではなく、ディテーリング内容をチェックするためにMRの方々自身が用いるべきだと思います。

担当医師ごと、担当病院ごと、そしてトータルで自分が、どのような薬剤のどのような訴求ポイントを行ってきたかを最低限、一月に一回は分析してみてはいかがでしょうか?

●この医師には、薬剤Aの降圧効果のみをディテーリングしているが、同じ薬剤でも心疾患の予防効果をあまり話していなかった・・・。今月はその点に関して、じっくりと時間を取ってもらおう。

●この病院では、薬剤Aの話ばかりしているので、薬剤Bに関しても話をしてみよう。

●私は、循環器系のディテーリングばかりしていた。循環器系は競争が激しいので、ディテーリング効果がすぐには現れないようだ。そこで、婦人科の薬剤について、もう少し、アプローチを増やしてみよう。

このような活用方法が、本筋だと思います。

また、営業部門のマネージャーやマーケティング担当者は、コール数を増やすことばかり考えないで、ディテーリング内容の比率の是正をマネージメントすることに重点を置くべきではないでしょうか?

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2007年02月21日

なぜMRは、邪魔者扱いされてもドクターに会いに行くのか?(2)

前回は、MRは医薬品の安全情報収集と提供が仕事(厚生労働省令第135号)と規定があるにもかかわらず、「なぜ、MRは医療機関を訪問するのでしょうか?」という問いかけで終わりました・・・。

これは、今を去ること20年ほど前、ACE阻害剤のマーケティング研究をした欧米の研究者が、「10年単位で見ると、ディテール量と売上は比例する」という結論を出したことが原因です。シンプルで、費用さえあれば誰にでもできる方法なので、広まったのかもしれません。この時から、医薬品マーケティングというとSOV(当該領域内で占めるディテール量の割合)を増やすことであると言われるようになったのです。

しかし、考えてみてください!

当時は、インターネットがありませんでしたので、医薬品の情報は、MRからしか得ることができませんでした。また、MRもそれほど多くなく、すべてのドクターに情報を伝えることはできなかったことでしょう。

このような状況下では、MRを増員して、医薬品の情報(仮にそれがあまり高度でなくても)提供の総量を増やせば売上は増えるのは当然です。しかも、多少、その内容がピントハズレでも、10年単位で見れば、確実に売上は伸びるでしょう。

状況が変化したにもかかわらず、日本の製薬企業では、未だにSOV神話がまかり通っています。かくして、本社の命を受けたMRが、「一度聞けばわかるよ!」とドクターに言われながらも、せっせと病院に通うわけです。

こんな状況で、本当に効果があるの?
(続く・・・)

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2007年02月19日

なぜMRは、邪魔者扱いされてもドクターに会いに行くのか?(1)

このシリーズは、マーケティング・セクションの目の敵にされている営業部門、すなわちMRの擁護をしながら、マーケティング・セクションの課題をあぶりだしていければ・・・、と思っています。

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さて、最初の話題は、『なぜMRは、邪魔者扱いされてもドクターに会いに行くのか?』というテーマです。

ドクターからは煙たがられ、患者からは胡散臭く思われ、看護師からは便利屋に見られながら、今日もMRは医療機関を訪問します。厚生労働省令第135号本来業務である「医薬品等の製造販売後安全管理の基準に関する省令」によれば、MRは、下記のような業務を行うと定義されています。

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医薬情報担当者(MR)とは、医薬品の適正な使用に資するために、医療関係者を訪問すること等により安全管理情報を収集し、提供することを主な業務として行う者をいう。
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医薬品の安全情報収集と提供が仕事ですから、忙しいドクターにアポなし訪問も許されているわけです。

しかし、最近では、新薬の発売が少なくなり、多くの企業のMRは、上記のような業務で訪問する必要はあまりありません。10年も前に発売された医薬品の情報収集と提供の必要はほとんど無いでしょうから・・・。

では、なぜ、MRは医療機関を訪問するのでしょうか?

それは、MRが製薬企業の社員だからです・・・。これが、結論ですが、それだけでは味気ないので、続きは、次回に!

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この記事は、『医療法人敬和会大分岡病院メディカル・リンク・ネットワーク』が発行しているメルマガに投稿しているのですが、〆切りに間に合わないことが多いので、主催者の山田さんと話し合い、このブログと連動することにしました。

すなわち、原稿の使い回しで、決して褒められたことではないですが・・・。お互いの読者に、コメントが頂ければ、それなりに効果があるのではと、決断した次第です。ご趣旨理解のうえ、コメントのご協力をお願いいたします。

また、このメルマガに関するお問い合わせは、下記まで!
(燃える医療マーケター)山田 隆司さん
E-mail:yamada1255@oka-hp-com

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